西施と中国の美人たち

中国四大美人 

「中国四大美人」の一人と称えられる西施。ではほかの3人はどのような美女たちなのだろうか。

  • 王昭君:前漢時代の人。武帝の妃の一人。後に和親政策のため匈奴に嫁いだ。
  • 虞美人:秦代の人。楚・項羽の愛人。敗走する項羽の足手まといにならぬよう自殺したとされる。
  • 揚貴妃:唐代の人。玄宗皇帝の愛人で、安史の乱を引き起こし、唐朝衰退のきっかけとなった。虞美人ではなく、後漢の詔蝉が入ることもある。『三国志演義』に 白蛇伝のストーリー登場する詔蝉は架空の人物という説もあり、顔は名医・華陀が西施の首とすげ替えた、とする民間伝承もある。これも西施の美貌が広く認められていた証かもしれない。 

中国四大伝説のひとつ 

『白蛇伝』は南宋の紹興年間(1131~1162)に成立したといわれるが、民間伝承のため、妖怪退治を主としたものから、蛇の精と人間の恋を描いたものまでさまざまなストーリーが残つている。なかでも京劇の『白蛇伝』は人気が高い。 

白蛇伝のストーリー 

峨媚山の白蛇の精・白素貞は、青蛇の精で妹分の小青を連れ、西湖を訪れる。断橋で激しい雨に見舞われた時、傘を差しかけてくれたのが美青年・許仙。ふたりはたちまち恋に落ち、白素貞は許仙の子を宿す。ところが金山寺の僧・法海が、異形のものとの恋はならじと、ふたりの仲を裂こうとする。度重なる法海の邪魔により、許仙は寺へと連れ去られ、ふたりは離れ離れに…… 臨月を迎えた白素貞は再び小青を供に、思い出の断橋を渡る。そこに許仙が現れ、愛を確かめ合ったふたりは幸せな日々を送るのだが、子どもが生まれてひと月、白素貞はまたも法海によって雷峰塔の下に閉じ込められてしまう。数年の後、小青に救い出された白素貞は許仙と再会を果たし家族はようやく安らかな暮らしを手にしたのだった。この物語は日本との縁も深い。古くは『雨月物語』で知られる江戸後期の国学者・上田秋成が『蛇性の淫』として翻案。また1958年には日本初のカラー長編アニメ映画として封切られ、日本アニメ隆盛の先駆けともなっている。